~ たけのこの皮、上部、下部?どこにセシウムは集まっているの? ~
小ぶりなたけのこ(横浜市内産)17本を提供していただき実験2を開始。 タワシでよ~く泥を落とし、皮を剥くとほとんど半分は皮。 |
総重量は およそ4.7kg
皮 + 先端 2.3kg
たけのこ上部 1.2kg
たけのこ下部 1.2kg
さて、生長点がある上部にセシウムが集まっているのでしょうか?
たけのこは節には生長帯があるので、根に近い下部のほう?
土壌表面近くにセシウムはあるから、皮に集まっているの?
孟宗竹の皮をまず、はさみで刻みフードプロ
セッサーに。たけのこ先端を斜めに切り落とし
たものも一緒に混ぜてあります。
たけのこ下部を生のまま、フードプロセッサーにかけて
おから状にします。マリネリに詰めると、幼根
のむらさき色のポツポツが見えます。
3.たけのこの上部
たけのこ上部は生でもやわらくていい香り。
同様にフードプロセッサーにかけ、おから状に
なったらマリネリに隙間なく詰めます。
AT1320Aにセットして、測ります。結果は…
*測定結果*
測定NO. | 食品の種類 | 測定時間 | ヨウ素131 (bq/kg) | セシウム137 (bq/kg) | セシウム134 (bq/kg) | セシウム合計 (bq/kg) |
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I-0418-5 | たけのこ皮 | 3600秒 | 0 | 9.75±3.35 | 9.10±2.89 | 18.9±4.42 |
I-0418-4 | たけのこ下部 | 3600秒 | 0 | 4.39±2.11 | 6.14±2.05 | 10.5±2.94 |
I-0419-1 | たけのこ上部 | 3600秒 | 0 | 14.2±3.5 | 11.2±2.7 | 25.4±4.4 |
*結果コメント*
孟宗竹の竹林に入ると、落ち葉に隠れた竹の根元から根群がひろがっていて、ここからたけのこがにょきにょき生えてきます。
竹や笹は、稲と同じでイネ科に属します。たけのこは土の中から生えてくるので、たけのこに含まれる放射性セシウムは、お米と同様、成長段階で土壌から吸収されたものと考えられます。
お米の放射性物質検査から、玄米から栄養価が高い糠(ぬか)を除去して精米すると放射性セシウムが7割以上減少することがすでに知られていますが、これと同様、たけのこでも栄養価が高い上部に放射性セシウムが集まる傾向が確認されました。
たけのこは、生長点のある先端部分が最も栄養価が高く、カリウムやビタミンE、チロシンなどの濃度が一番高いのが先端部。これら栄養素と一緒になって、放射性セシウムも先端部に集まったと考えられます。
今が旬のたけのこ。先端部を出汁で煮ると本当にやわらかくて美味しいのですが・・・
「たけのこ下部」の Cs-137の値は相対誤差 48% であり、定量値として扱うには少々無理がありますが、Cs-134の検出量から考えて、参考値としては充分意味ある値と判断できます。
お米のように糠を除去すると7割セシウムが減る・・・というほど大きな分布の偏りはありませんでしたが、たけこのについては、皮と先端部にセシウムが集まる傾向があることが、今回の実験でわかりました。