このメールマガジンは、横浜市民測定所にご寄付くださった会員の方を
対象としておりますが、会員ではない方のご登録も歓迎しています。
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いつも横浜市民測定所の活動にご協力いただき、
まことにありがとうございます。
さて、本日の内容は、下記3点です。
【1】測定所のオープンは3/5(月)です
【2】IDとパスワードについて
【3】測定うらばなし1
【1】測定所のオープンは3/5(月)です
横浜市民測定所のオープンは、3/5(月)になりました。
大変お待たせいたしました。
今測定メンバーが測定の練習をしているところです。
測定予約はHPから受け付けます。
予約受付体制が整いましたら、またご連絡いたします。
【2】IDとパスワードについて
HPでのデータ公開におけるセキュリティ強化のため、準備中です。
完了後、IDとパスワードを発行いたします。
測定所のオープンまでに発行が間にあわない場合は、
測定結果が数検体分たまりましたら、
一斉送信にて測定結果をお知らせします。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、
今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
【3】測定うらばなし1
今回から会員の皆様に測定の様子をお知らせする
「測定うらばなし」をメルマガに掲載します。
今日はその第1弾です。
<測定うらばなし1>ある日の測定室での会話
「間違いの海からセシウムを浮かび上がらせる!?」
by新米測定員みさっち
納品以来、オープンに向けて横浜市民測定所では測定員の練習が日々行われています。
測定器って、食品を入れてはいスイッチポン!で放射能汚染がわかるものだと思っていました。
でも実際は、データの読み方にも熟練の技が求められること、ご存じでしたでしょうか。
ある日、ホットスポットと言われる地域の玄米を測ってみたら、予想に反して(?)こんな測定結果が・・・。
新米測定員「みさっち」が専門知識を持つ分析・評価チームの「タバネコだんなさん」に聞きます!
核種:放射能濃度:Relative error:Absolute error:Statistical errorの順で
ヨウ素131:0.00 Bq/kg: ー: ±0.00 Bq/kg :ー
セシウム137: 0.00 Bq/kg:ー: ±0.00 Bq/kg :ー
セシウム134 :<4.21 Bq/kg :ー: ±2.14 Bq/kg :>100%
カリウム40: 39.8 Bq/kg: 71% :±28.4 Bq/kg: 71%
みさっち(新米測定員で幼稚園児のママ):
「高い値が出るのではと予想していましたので、結果を見て、この測定結果は正しいの?と
疑問を持ちました。まだまだ測定も不慣れなため、自信が持てないです・・・。」
タバネコだんなさん(昔、大学で専門的に勉強した分析・評価チーム):
「うーん、これについては正直何とも言えません。(1)セシウムが本当に無いのか、
(2)あったとしても検出限界以下の微量なのか、
(3)検出限界以上あるのに何かの不具合で検出できないのか、の3つが考えられます。
僕の経験では、測定は簡単ではありません。特に検体の詰め方が難しかったです。
きちんと詰めるために検体を細かくさせました。
そのため乾燥させたり灰にしたりと大変な手間をかけました。
この測定所ではそんな設備はありませんし、今は機械が入ったばかりで検体の処理もみなさん初めてです。
最初から上手くやれるはずありません
この結果が正しいか正しくないかは、今の時点では、何度も測定を繰り返す、
他所でクロスチェックする、という手順を踏まないと確信を持てないと思います。
みさっち:
「そうなんですね・・・。マリネリ(注:食品を測定器に入れるためのビーカーのような容器)に
食品を詰めるのにはいつも苦労してます(>_<) かたよっちゃうんですよね。
それから、測定中、“Relative error”、“Statistical error”のどちらかがずっと高い値だったのです・・・。
これが100%近い値を示しているのはどういうことを表しているのでしょうか? “error”という言葉に不安があるし・・・。」
タバネコだんなさん:
「これについては心配要りません。それで正常です。
汚染量は検出したガンマ線カウント数の累積から算出します。
セシウムだけガンマ線を出してくれれば簡単なんですけど、他にも出す物はあります(カリウム40とか)し、
遮蔽体を突き抜けて外部からも入ってきます。
もっとやっかいなのは、検出器自体が間違いを起こします。
ガンマ線が入ってないのにカウントする、逆に入ってきたのにロストする、てなことを起こします。
これは確率的に起きることなので避けようがないです。
仕方が無いので測定時間を長くしてカウント数を累積させます。
すると、この間違いの海からセシウムだけがぼんやり浮かび上がってくる、という仕組みです。
ですので、たいてい最初は誤差が大きく、それこそ100%とかです。
時間の経過と共に累積数が増えるとだんだん誤差が低下していきます。
汚染量が高いと、この間違いの海から短時間で勢い良く飛び出てきますが、汚染量が低いと、エラー値はなかなか下がりません。」
みさっち:
「そうなんだ(^_^)v 他のデータを見ると汚染が高いものではこの“error”の値が低いようでした!
測定時間や、汚染量によって変わるんですね。
また、測定途中に経時的に核種データが出ますが、測定しなおさなくてはいけないことはあるのでしょうか?
明らかにセシウムの比率がおかしいとか。もし、それが分かれば、早い段階で測定のやりなおしができる場合もあるのかな。」
タバネコだんなさん:
「解析ソフトの検出アルゴリズム(注:検出したエネルギーを核種に換算するプログラムのようなもの)とか
測定器の癖とかもあるので、何か規則性みたいなものは今はわかりません。
なんとなく予想できるのは、ある程度時間をかけてもセシウム134だけあって137が全然ないとか、
ヨウ素が出たとか、出るはずのカリウム40が全く出ないとか。
そんな時に、“これは変だぞ? キャリブレーション(注:チェック用の線源を使ってプログラムを校正すること)
しとこうかな、となります。
今、僕たちもこの測定器の癖を見極めようと、同一検体を条件を変えて何度も測定し、
そのデータを記録して、検証しています。もう少々お待ち下さいね。」
みさっち:
「わかりました! まだまだ不安はありますが、データの読み方がわかって、
次からはもう少し意識的に測定ができます。早く測定器の癖がわかるよう検証も期待しています!」
・・・・・・・・・・・・
いかがでしたか? こんな風に、あれ?と思う測定結果に出会うことも多いため、
測定の重要性とともに、測定した結果を皆様にお知らせする事にもとても責任を感じます。
「検出せず」という結果は正当であれば喜ばしいことです。
ただその背景に、定量下限値がいくつなのか、測定時間はどのぐらいなのか、
セシウム134:137の比(2月18日時点ではおおよそ0.75:1)はどうであるのか、
別の核種のピークをとらえていないか、などデータを読み解く目を養うことも必要だとわかりました。
私たち測定員も結果が妥当なものであるかを検証するために測定を重ね、
データを積み上げていきます。また、測定での疑問を共有し、問題を解決していきます。
その結果を皆様に提供させていただくことで測定所の信頼を得ていくことができるように取り組んでまいります。
最後に、タバネコだんなさんの談でもありましたが、測定の際、
マリネリ容器内での一様性が測定結果に大きく影響します。
隙間なくぴっちり詰める(=充填率を高める)ことがとても重要となりますので、
測定をご依頼される方は、できるだけ細かく刻むという前処理をお願いいたします。
測定員も子育て中の普通のパパママで、まだまだ勉強中です。
測定を依頼される皆様にもぜひ測定の「うらばなし」にあるような情報を知っていただき、
ともに横浜市民測定所を作り上げていっていただけるとうれしいです。
なお、下記リンクより、測定所の測定写真を見ることができます。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.251252698290770.58756.172480082834699&type=3&l=14300c26b7
本日のメルマガは、以上です。
測定依頼の際に、「できるだけ細かく刻む」ことへの
ご協力、どうぞよろしくお願いします。
それでは、今後とも横浜市民測定所を、
どうぞよろしくお願いいたします。
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