(処理が難しい場合は、ご予約時にご相談ください。また、腐敗が心配される検体は、測定所内で処理する場合があります)
基本的な考え方
- ご希望に添った状態で測定(そのままで測る、食べる状態で測る、濃縮させて測る、可食部のみ測る、皮なども含めて測る、など)
- 泥汚れが付いている場合はよく洗い、水気を切る
- 下処理に使用する器具は、事前にきれいに洗う(他の食品がついた状態では正しく測定できません。まな板はプラスチックのものを使用して下さい)
- 「混ぜて均一に」
- 「細かく隙間なく」に加えて、できることなら
- 「乾燥して水を飛ばす」です。
より信頼性が高い測定結果を求めるには、この基本に則った処理がが大切になります。
1.検体処理
きれいに洗った包丁とまな板で、できるだけ細かく均一な状態になるように刻みます。
フードプロセッサー等を使ってもかまいません。
硬い検体は、特に細かくしないと、マリネリに詰めたときに隙間ができてしまいます。
▽ きゅうりを包丁で刻んでいる様子
▽ たけのこやクッキーをフードプロセッサーで粉砕
▽ 処理したたけのこをマリネリ容器(測定用の容器)に詰めている様子
※各食品別の処理方法は こちら「検体処理(検体別)* 検体量の目安」 をご覧ください。
送付・持ち込みについて
下処理した検体は、ビニールやジップロックなどに入れてしっかりと密封してください(漏れ防止のため二重に)。
下処理の不要な製品(小麦粉、お砂糖、お米、飲料など)は、流通時のパッケージ(袋やペットボトル等)のままでかまいません。
検体の発送方法
・冷蔵庫で保存が必要な食品(野菜、果物を含む)⇒クール便
・上記以外(米、麦製品など腐らないもの)⇒通常の宅急便
※輸送時に容器やパッケージが破損しないように、緩衝剤等を入れてお送りください。
持込みの場合
持ち込み見学の際は、常温にしてお持ち込みください(検体は常温で測ります)。
2.より理想的な検体処理の例
測定精度を上げる工夫:粉砕
硬い粒状の検体は、フードミルなどで粉砕する。
(お米や豆など、粒状のままでも測定できますが、粉砕することで隙間がなく均一な状態になります)
▽ お米をポットミルで粉砕したところ
低い汚染濃度まで測定精度を上げて調べる工夫:濃縮・炭化・灰化
たとえば、検出下限値が5Bq/kg程度だけど1Bq/kgくらいまで調べたい!・・・
以下のように濃縮して測定し換算することで、検出下限値より低い汚染度まで知ることができます。
また、これらの処理で水分による遮蔽を減らすことも可能になります。
【液体】鍋で煮詰める。
【野菜など水分の多い検体】鍋やレンジやオーブンなどで加熱し、できるだけ水分を飛ばす。
※いずれも、処理後の状態で1L必要です。
濃縮前の汚染濃度に換算するには、濃縮率が必要となります。処理前後の重量をメモしておいてください(換算方法は次に説明します)。
▽ えのき茸をオーブンで炭化。この後さらに粉砕します
▽ 牛乳を濃縮乾燥して粉砕【PDF参照】
加熱・濃縮処理した場合の測定結果の換算について
濃縮率をもとに、濃縮前の濃度に換算できます。
例えば「牛乳:処理前6,000g⇒濃縮乾燥後1,000g」6倍濃縮で測定し
セシウム合計 6 Bq/kg 検出のとき
濃縮前の状態の1Lに換算するには、検出値を濃縮率(この例では6)で割ります。
セシウム合計 6 Bq/kg 検出のとき
↓濃縮前の1Lに換算するには
= 6 Bq/kg ÷ 6
= 1 Bq/kg・・・濃縮前のセシウム濃度