たけのこを半分に切って、『生たけのこ』『茹でたけのこ』に分けて、セシウム濃度の違いを比べました(横浜市内で採れたたけのこを使用)。
*水煮の副材料*
- RO水
- ぬか(事前に測定済み。NDでした。)
1.約3.5キロの筍を半分に切ります。
2.半分は皮を剥いて、フードプロセッサーに。
半分は、皮のまま。
3.茹で用たけのこは、ぬかを入れて、1時間茹でます。
箸が通れば、OKです。そのまま、一晩アクを抜きます。
4.皮をむき水洗いして、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。
『茹でたけのこ』の出来上がりです。ぶつ切りにします。
5.『生たけのこ』は皮をむいて、同じくぶつ切りにします。
6.ぶつ切りの『たけのこ』をフードプロセッサーにかけます。
7.ボールに入れてよく混ぜます。たけのこの部分によって移行率が違うので、偏らないようにします。マリネリ(測定の時の容器です)に、ぎゅーと詰めます。
8.マリネリに詰めたところです。左が『生たけのこ』右が『茹でたけのこ』です。
茹でたら、水で体積が増えると思ったら…逆に小さくなりました。ちょっと、少ないですが比較なので今回はこのまま測定をしました。
9.AT1320Aにセットして、測ります。結果は…
*測定結果*
測定NO. | 食品の種類 | 測定時間 | ヨウ素131 (Bq/kg) | セシウム137 (Bq/kg) | セシウム134 (Bq/kg) | セシウム合計 (Bq/kg) |
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I-0413-2 | たけのこ(生) | 3600秒 | 0 | 14.2±3.6 | 12.9±3.1 | 27.1±4.75 |
I-0413-3 | たけのこ(茹で) | 3600秒 | 0 | 10.3±3.3 | 10.8±3.0 | 21.1±4.46 |
*結果コメント*
福島第一原発事故以降、食材の放射能汚染を取り巻く経験から、食材に含まれる放射能(主に放射性セシウム)は茹でたり煮たりすることで、茹で汁や煮汁に移行するのではないか? と経験的に感じていたことが、今回の『茹でたけのこ』実験であらためて裏付けることができたと考えます。
サンプル数が1なので、さらにサンプルを増やして傾向を観察する必要がありますが、本測定結果を見る限りでは、統計的な測定誤差も小さく、値は有意と考えて問題ありません。
『生のたけのこ』は、セシウム合計27.1±4.75ベクレル/キログラムでした。
『茹でたけのこ』は、セシウム合計21.1±4.46ベクレル/キログラムでした。
『生のたけのこ』に比べて、『茹でたたけのこ』の総セシウム量は、約22.2%減少したと考えられます。
また、その減少した22.2%は、大半が茹で汁に移行したと考えられます。
煎茶をお湯で浸出させた場合は、煎茶に含まれる放射性セシウムは大半が浸出液(飲用茶)に移行することがわかっていますが、それに比べると『茹でたけのこ』の場合は、放射性セシウムは茹で汁に移行することはするのですが、移行割合は、2割強と、除去とは言えない数値なのは残念です。
本実験では、『茹でたけのこ』の茹でる前の重量は測っておりませんので、茹でることによるたけのこの重量変化は考慮されておりませんが、文部科学省から出されている資料によりますと、たけのこを茹でたときの重量変化率は、90%とあります。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/01/25/1299011_2.pdf